「格安SIMは電車の中で使い物にならない」——よく聞く話です。
私はmineoを10年使って、毎日神奈川から東京都心まで通勤しています。電車で「遅いな」と感じることは、正直あります。 特に決まった区間にさしかかると、読み込みが待たされる。毎日同じあたりで起きるので、気のせいではないと思っています。
ただ、それがmineoだからなのか、その場所だからなのかは分かりませんでした。数字で見たことがなかったからです。
そこで通勤の道中で実測してみたところ、予想以上に極端な結果が出ました。
結論
- 駅の構内では141.71 Mbps
- 同じ駅のホームでは1.18 Mbps
- 一番遅かったのは、意外にも駅から歩いている時

計測条件
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 計測期間 | 2026年8月6日〜8月21日 |
| 端末 | iPhone 15 Pro |
| 通信規格 | 4G LTE固定(5Gは未使用) |
| 契約プラン | mineo マイピタ(Dプラン/ドコモ回線) |
| 計測アプリ | Speedtest by Ookla |
| 通勤ルート | 神奈川県川崎市 ⇄ 東京都港区 |
同じ期間に、東京都心の同じ場所で43回の定点計測もしています。そちらは別記事にまとめました。
関連記事mineoは昼が遅い?1週間の定点実測でわかった本当の理由
結論|通勤中のmineoはこうだった
シーン別の実測値です。

3Mbpsを下回ったのは、駅のホームと歩行中の2回だけ
| シーン | 計測日時 | 下り | 通信中の応答 |
|---|---|---|---|
| 武蔵小杉駅の構内 (朝) |
8/18 8:30 | 141.71 Mbps | 936 ms |
| 品川駅ホーム (夜) |
8/18 19:07 | 74.38 Mbps | 576 ms |
| 品川駅ホーム (夜・別日) |
8/17 19:02 | 43.16 Mbps | 557 ms |
| 走行中の電車内 (朝) |
8/19 8:30 | 3.23 Mbps | 185 ms |
| 走行中の電車内 (朝) |
8/18 9:02 | 5.62 Mbps | 945 ms |
| 武蔵小杉駅のホーム (帰宅ラッシュ) |
8/18 19:34 | 1.18 Mbps | 4,479 ms |
| 最寄り駅前の商店街を徒歩 (夜) |
8/18 19:45 | 0.63 Mbps | 8,185 ms |
※ これらは各シーンで1〜2回測った記録です。 「その駅では常にこの速度」という意味ではありません。同じ場所でも、時間帯や電波の掴み方で結果は大きく変わります。実際、定点計測では同じ席に座ったまま1時間で21〜116Mbpsの幅が出ました。ここに載せているのは、あくまでその瞬間の記録です。
品川駅は東京都港区、武蔵小杉駅は神奈川県川崎市の駅です。オフィスは東京都港区、最寄り駅は神奈川県内の駅になります。
それでも、0.63Mbpsから141.71Mbpsまで200倍以上の幅があるという事実は動きません。通勤中の通信環境が、いかに場所と状況に左右されるかがわかります。
同じ駅でも、構内とホームで大きく違った
一番驚いたのがここです。
武蔵小杉駅(神奈川県川崎市)で測った2回を並べます。

速度だけでなく、応答も5倍近く鈍くなっている
| 計測場所 | 日時 | 下り | 通信中の応答 |
|---|---|---|---|
| 駅の構内 | 8/18(火)8:30 | 141.71 Mbps | 936 ms |
| 駅のホーム | 8/18(火)19:34 | 1.18 Mbps | 4,479 ms |
同じ日、同じ駅で120倍の差です。
もちろん、朝と夜という違いがあります。夜のホームは帰宅ラッシュで人が密集していて、同じ基地局を大勢が同時に使っている状態でした。朝の構内は乗り換え通路の、比較的開けた場所です。
「構内は速くてホームは遅い」と一般化はできません。ただ、同じ駅の中でも数十メートル移動しただけで、これだけ結果が変わりうるということです。
もうひとつ注目してほしいのが応答速度です。936ms → 4,479ms。 速度が120分の1になっただけでなく、反応が5倍近く鈍くなっています。この状態だと、LINEを送るだけでも「送信中」のまま止まったように感じるレベルです。
とはいえ、普段の駅で困ることはほとんどない
数字だけ見ると「駅では使えない」という印象になりますが、実感はかなり違います。
私は毎日この駅を使っていますが、ホームでスマホが操作できなくて困った、ということはめったにありません。 電車を待ちながらニュースを読んだり、LINEを返したりは普通にできています。
1.18Mbpsという値は、たまたまそのタイミングで掴んだ電波が悪かった記録です。ホームに立つたびに毎回こうなるわけではありません。実際、同じ日の同じ時間帯に品川駅のホームでは74.38Mbps出ています。
駅で通信が詰まるのは「運が悪いとき」、というのが10年使ってきた実感です。数字の極端さに引っ張られすぎないでください。
走行中の電車内は3〜6Mbps
意外と安定していたのが電車内でした。
| 日時 | 下り | 上り | 通信中の応答 |
|---|---|---|---|
| 8/19(水)8:30 | 3.23 Mbps | 1.76 Mbps | 185 ms |
| 8/19(水)8:31 | 5.80 Mbps | 4.69 Mbps | 1,538 ms |
| 8/18(火)9:02 | 5.62 Mbps | 0.24 Mbps | 945 ms |
| 8/18(火)19:00 | 10.00 Mbps | 5.69 Mbps | 819 ms |
3〜10Mbps程度。 数字だけ見ると心もとないですが、フルHD動画に必要なのは3Mbps程度なので、動画視聴なら成立するラインです。
ただし1分違いで3.23→5.80Mbpsと動いていますし、上りは0.24Mbpsまで落ちた回もあります。走行中は電波状況が絶えず変化しているということですね。
そして応答速度は185〜1,538ms。ここも大きくばらつきます。動画のように先に読み込んでおくものは平気ですが、Webページを次々に開くような使い方だと、待たされる場面が出てくると思います。
「決まった区間で遅くなる」という体感について
ここからは実測ではなく、10年通勤してきた体感の話です。
同じ路線に毎日乗っていると、特定の区間にさしかかると読み込みが遅くなるのが分かるようになります。私の場合、いつも同じあたりで待たされます。
ただし、これは夕方の帰宅時に感じていることです。朝や、空いている時間帯に同じことが起きるのかは確かめていません。
一度、たまたま隣の方の画面が目に入ったことがありました。同じ区間で、その方も読み込み待ちになっていました。 契約している回線が何かは分かりませんが、少なくとも「自分のスマホだけの問題」ではなさそうです。
理由として考えられるのは、こういったことです。
- 掘割やトンネル、高架下など、電波が届きにくい構造の区間がある
- 基地局と基地局のちょうど中間で、どちらからも電波が弱い
- 速度の出る区間から出ない区間へ、短時間で切り替わる
この記事の計測では、区間ごとの実測はしていません。 時刻を決めて測っていたので、たまたまその時にいた場所での記録になっています。「◯◯駅と△△駅の間が遅い」と数字で示すには、路線に沿って連続して測る必要があり、今回はそこまでやれていません。
ただ、特定の区間で遅くなるという現象自体は、回線を問わず起こりうるということは言えると思います。それはmineoの性能ではなく、その場所の電波環境の話だからです。
一番厳しかったのは「駅から歩いている時」
2週間で最も遅かったのは、電車の中でもホームでもありませんでした。
駅から自宅まで歩いている最中です。
場所は最寄り駅を出てすぐの商店街。道幅は車1台が通ると両脇の歩行者でいっぱいになる程度で、左右には建物が連なっています。帰宅時間帯なので、人通りもそれなりにありました。
| 日時 | 下り | 通信中の応答 |
|---|---|---|
| 8/18(火)19:44 | 1.65 Mbps | 2,194 ms |
| 8/18(火)19:45 | 0.63 Mbps | 8,185 ms |
応答速度8,185ms、つまり約8秒。この状態でページを開こうとすると、体感は「固まった」に近いです。
さらに、別の日にも似た記録が残っていました。
| 日時 | 下り | Ping | 通信中の応答 |
|---|---|---|---|
| 8/7(金)20:14 | 0.79 Mbps | 470 ms | 7,232 ms |
こちらは電車を降りて駅に着いた直後です。日を変えても、夜の駅周辺で歩いている時に同じ現象が起きています。
なぜ歩いている時が一番遅いのか
断定はできませんが、いくつかの要因が重なっていると考えられます。
1. 基地局の切り替えが連続して起きる
歩いていると、スマホは電波の届く基地局を次々に掴み直します。切り替えのたびに通信が一瞬途切れるので、その分だけ応答が遅れます。座って止まっていれば起きないことです。
2. 細い道の両側に建物が並んでいる
商店街のように、狭い道の左右を建物が挟んでいる場所は、電波の通り道が限られます。空が細く切り取られているような状態なので、基地局からの電波が届きにくくなります。
3. 帰宅ラッシュで周囲の端末が多い
19時45分は、駅から人が一斉に流れ出す時間帯です。狭い商店街に人が集中していて、同じ基地局を大勢が同時に使っている状態でした。
4. 歩くたびに遮蔽物が変わる
建物の陰に入ったり出たりを繰り返すため、電波状況が数秒単位で変化します。
止まっている時より、動いている時の方が条件が悪いということですね。電車内が意外と安定していたのは、車両という決まった環境の中にいて、かつ路線沿いには基地局が計画的に配置されているからかもしれません。
屋内も、場所によって大きく変わる
通勤の話から少し逸れますが、同じ建物の中でも結果は変わります。
東京都港区のオフィスビルで、6分間に3回測ったときの記録です。
| 時刻 | 場所 | 下り | 通信中の応答 |
|---|---|---|---|
| 9:07 | ビル前の歩道上 | 26.37 Mbps | 490 ms |
| 9:10 | エレベーターでの移動中 | 5.03 Mbps | 6,326 ms |
| 9:13 | オフィス内のいつもの席 | 152.83 Mbps | 717 ms |
エレベーターの中と、そこから数十メートル先の席で30倍の差です。
エレベーターは金属の箱なので、電波がほとんど入りません。しかも上下に動くので、基地局の切り替えも同時に発生します。 応答6,326msは、この2週間で最悪級の数値でした。
「エレベーターに乗ると通信が切れる」というのは誰しも経験があると思いますが、数字にするとこうなります。
もうひとつ意外だったのが、屋外の歩道(26.37Mbps)より、屋内の席(152.83Mbps)の方が速かったこと。屋外の方が電波が良いとは限らないんですね。基地局との位置関係次第です。
これはmineoだから遅いのか
答えはNoです。
混雑した駅のホームで通信が遅くなるのは、回線の種類を問わず起きます。ドコモやau、ソフトバンクを直接契約していても同じです。基地局のキャパシティを大勢で分け合っているという状況は変わらないからです。
mineoのようなMVNOに固有の弱点は、大手キャリアから借りている帯域(相互接続点)が混雑時に詰まるという部分です。これは主に平日の昼などに効いてきます。
一方、電波の掴み方や基地局の性能そのものは、ドコモと完全に同じです。mineoのDプランはドコモの基地局をそのまま使っているので、「MVNOだから電波が悪い」ということはありません。
駅で遅いのは、mineoの問題ではなく場所の問題です。
通勤で使うときのコツ
実測してみて気づいたことです。
電車に乗る前に読み込んでおく
動画や記事は、電波の良いところで先に読み込ませておくと快適です。電車内でも3〜6Mbps出るので視聴自体はできますが、新しく何かを開くときに待たされます。
ホームより改札の外や構内の方が良いこともある
今回の計測では、構内141.71Mbpsに対しホーム1.18Mbpsでした。急ぎの連絡があるときは、人の少ない場所に移動してみる価値はあります。
移動直後は少し待つ
電車を降りた直後や歩いている最中は、基地局の切り替えが続いて不安定になります。立ち止まって数分待つと落ち着くことが多いです。
エレベーターの中では諦める
これは物理的にどうにもなりません。乗る前か降りた後にしましょう。
番外|3Mbpsモードは移動中でも安定していた
mineoには「パケット放題3Mbps」というオプションがあります。mineoスイッチをONにすると、データ容量を消費せずに最大3Mbpsで使い放題になる仕組みです。
これを移動中に試したところ、面白い結果が出ました。
| シーン | 通常モード | 3Mbpsモード |
|---|---|---|
| 武蔵小杉駅のホーム (帰宅ラッシュ) |
1.18 Mbps / 4,479 ms | 1.27 Mbps / 3,503 ms |
| 品川駅ホーム (夜) |
74.38 Mbps / 576 ms | 3.05 Mbps / 119 ms |
| 走行中の電車内 | 5.80 Mbps / 1,538 ms | 2.77 Mbps / 114 ms |
注目してほしいのは応答速度です。
品川駅では、通常モードが74.38Mbpsなのに応答576ms。一方3Mbpsモードは速度こそ3.05Mbpsですが、応答は119msと5倍近く軽い。電車内でも1,538ms対114msと、10倍以上の差がついています。
速度を絞ったほうが、反応は軽くなる。 これは通信の仕組み上そうなる現象で、別記事で詳しく扱っています。
一方で、電波そのものが悪い駅のホームでは、3Mbpsモードでも1.27Mbps・3,503msと破綻しました。帯域を絞っても、電波が届かない場所ではどうにもなりません。
関連記事パケット放題3Mbpsは本当に3Mbps出る?増速後を実測
この記事の限界
正直に書いておきます。
① 各シーン1〜2回の計測です
定点計測のように同じ条件を何度も繰り返したわけではありません。傾向は見えますが、その場所の代表値ではありません。
② 計測ルートは1つだけです
神奈川県川崎市と東京都港区を結ぶ、私の通勤ルートでの記録です。路線や地域が変われば結果も変わります。
③ 区間ごとの実測はしていません
「決まった区間で遅くなる」というのは体感の話で、数字の裏づけはありません。路線に沿って連続的に測れば検証できますが、今回はやれていません。
④ 混雑度は数値化していません
「帰宅ラッシュで人が多かった」というのは私の体感です。実際に何人いたかは測っていません。
まとめ
通勤中のmineoについて、実測してわかったことです。
まとめ
- 電車内は意外と使えます。 3〜10Mbps程度で、動画視聴なら問題ない水準でした。
- 遅い記録が出たのは、混雑した駅のホームと歩いている時でした。 帰宅ラッシュの駅周辺では1Mbpsを切り、応答速度が数秒単位まで悪化した回があります。
- ただし、これは「運が悪かったとき」の記録です。 毎日同じ駅を使っていますが、ホームでスマホが操作できなくて困ることはめったにありません。数字の極端さだけで「駅では使えない」と判断しないでください。
- 同じ場所でも状況次第で大きく変わります。 同じ駅で120倍、同じビルの中で30倍。1回の計測で「ここは遅い」と決めつけられません。
- そしてこれは、mineoに限った話ではありません。 混雑した場所で遅くなるのは、どの回線でも起きることです。
- 通勤でスマホを使う前提なら、電波の良いところで先に読み込んでおくという習慣だけで、かなり快適さが変わると思います。
よくある質問
mineoは電車の中で使えますか?
使えます。今回の実測では走行中の電車内で3〜10Mbpsでした。フルHD動画に必要な3Mbpsは概ねクリアしています。ただし応答速度はばらつくので、Webページを次々に開く使い方だと待たされる場面があります。
駅で遅くなるのはmineoだからですか?
いいえ。混雑した駅で通信が遅くなるのは回線の種類を問わず起きます。mineoのDプランはドコモの基地局をそのまま使っているので、電波の掴み方は同じです。
一番遅かったのはどこですか?
最寄り駅前の商店街を歩いている最中で、下り0.63Mbps・応答8,185msでした。歩くと基地局の切り替えが連続すること、細い道の両側を建物が挟んでいること、帰宅ラッシュの時間帯だったことが重なったと考えられます。
駅のホームではスマホが使えなくなりますか?
そんなことはありません。今回1.18Mbpsという記録が出ましたが、これはたまたま電波の掴みが悪かったときのものです。同じ日の同じ時間帯に、品川駅のホームでは74.38Mbps出ています。10年使ってきて、ホームで操作できずに困ったことはめったにありません。
いつも同じ場所で遅くなるのですが、mineoのせいですか?
その可能性は低いと思います。掘割やトンネル、基地局の中間地点など、電波が届きにくい区間はどの回線でも遅くなります。私も同じ路線の決まった区間で読み込みが待たされますが、隣の方の画面も同じように止まっていたことがありました。
通勤中に動画を見られますか?
見られます。ただし電車に乗る前に読み込ませておく方が快適です。走行中は電波状況が変わり続けるので、途中で読み込みが止まることがあります。
エレベーターで通信が切れるのはなぜですか?
エレベーターは金属で囲まれているため電波がほとんど届きません。さらに上下移動で基地局の切り替えも起きます。今回の実測では下り5.03Mbps・応答6,326msまで悪化しました。
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