2026年3月、mineoの「パケット放題」が1.5Mbpsから3Mbpsに増速されました。速度が倍になったわけです。
でも、公称値と実測値が違うのはよくある話です。本当に3Mbps出るのか気になりますよね。
2週間で20回測ってみました。結果は中央値2.91Mbps。ほぼ公称通りでした。
しかも測っているうちに、速度以外のところで予想していなかった発見がありました。
パケット放題3Mbpsとは
まず仕組みを整理します。
mineoアプリの「mineoスイッチ」をONにすると、通信速度が最大3Mbpsに制限される代わりに、データ容量を一切消費せずに使い放題になります。
ギガを使い切りそうなときに切り替える、というのが基本的な使い方です。動画を見ても、SNSを流し見しても、契約データ量は減りません。
コースによって使えるものが違います
ここを勘違いしている人が多いところです。
| マイピタのコース | 使えるオプション | 料金 |
|---|---|---|
| 3GB・7GB | パケット放題 1Mbps | 無料 |
| 3GB・7GB | パケット放題 3Mbps | 385円/月 |
| 15GB以上 | パケット放題 3Mbps | 無料 |
どのコースでも、何らかの使い放題オプションが無料で使えます。
15GB以上のコースなら3Mbpsが標準で付いてきます。3GB・7GBのコースでも1Mbpsなら無料。3Mbpsにしたい場合だけ、月385円かかる形です。
なお1Mbpsのほうは15GB以上のコースでは申し込めません。コースごとに選べるものが決まっています。
マイそくとは別物です
似た名前でよく混同されますが、マイそくは料金プランそのものです。パケット放題はマイピタのオプションなので、仕組みが違います。
いちばん大きな違いが平日12時〜13時の扱いです。
| サービス | 平日12〜13時 |
|---|---|
| パケット放題 3Mbps | 制限なし |
| マイそく (スタンダード) |
最大32kbpsに制限 |
この記事で扱うのはパケット放題のほうです。 以下のデータはすべてマイピタ+mineoスイッチONで測っています。
結論|20回測って中央値2.91Mbps
実測結果です。
| 項目 | 実測値(20回) |
|---|---|
| 下り 中央値 | 2.91 Mbps |
| 上り 中央値 | 2.98 Mbps |
| 最速 | 3.40 Mbps |
| 最遅 | 1.27 Mbps |

東京定点11回の中央値2.89Mbps、神奈川5回で2.92Mbps、移動中・駅4回で2.91Mbps。20回中19回が2.77〜3.40Mbpsに収まり、最も遅かったのは混雑した駅ホームの1.27Mbps
最遅の1.27Mbpsは、帰宅ラッシュの駅ホームで測った1回です。それを除いた19回は、すべて2.77〜3.40Mbpsの範囲に収まりました。
内訳は東京都心の定点で11回、神奈川の自宅で5回、移動中・駅で4回。場所も時間帯もバラバラですが、結果はほぼ同じでした。
公称3Mbpsに対して、実測2.91Mbps。 ほぼ額面通りと言っていいと思います。
そして特筆すべきはばらつきの少なさです。通常モードでは同じ場所で21〜116Mbpsという幅が出ましたが、3Mbpsモードは常に3Mbps前後。上限に張り付いた状態が安定して続きます。
上りも2.98Mbpsと、下りとほぼ同じ。通常モードでは上りが下りの10分の1以下でしたから、バランスという意味ではむしろ良好です。
昼の混雑ピークでも落ちなかった
ここが一番驚いた点です。
東京都心の同じ場所で、通常モードと3Mbpsモードを比べます。
| 時間帯 | 通常モード | 3Mbpsモード |
|---|---|---|
| 昼 (12〜13時) |
87.4 Mbps (22回) |
2.92 Mbps (6回) |
| 夕方 (18時台) |
133.9 Mbps (5回) |
2.88 Mbps (5回) |
通常モードは、午前147Mbps → 昼87Mbpsと4割落ちていました。夕方には133Mbpsまで戻ります。混雑の影響をはっきり受けています。
一方の3Mbpsモードは、昼2.92Mbps・夕方2.88Mbps。むしろ昼のほうがわずかに速いくらいで、差がありません。
理由は単純で、もともと3Mbpsという低い上限をかけているからです。回線が多少混雑しても、3Mbpsを出す余力は残っている。だから上限に張り付いたままでいられます。
「昼は遅くなる」を気にしている方には、あえてスイッチをONにするという選択肢があるということです。
関連記事mineoは昼が遅い?1週間の定点実測でわかった本当の理由
場所を変えても変わりません
時間帯だけでなく、場所を変えても結果はほとんど同じでした。
| 計測場所 | 計測回数 | 下り中央値 | 範囲 |
|---|---|---|---|
| 東京定点 | 11回 | 2.89 Mbps | 2.80〜3.02 |
| 神奈川 (自宅) |
5回 | 2.92 Mbps | 2.80〜3.28 |
| 移動中・駅 | 4回 | 2.91 Mbps | 1.27〜3.40 |
どの場所でも中央値は2.89〜2.92Mbps。 通常モードでは場所によって40〜150Mbpsと大きく変わりましたが、3Mbpsモードにはその変動がありません。
上限に張り付いているぶん、条件に左右されないというのが、このモードの一番の特徴だと思います。
移動中・駅ではどうか
一方で、弱点もはっきりしました。
| シーン | 下り | 通信中の応答 |
|---|---|---|
| 品川駅の電車内 | 3.40 Mbps | 106 ms |
| 品川駅ホーム | 3.05 Mbps | 119 ms |
| 走行中の電車内 | 2.77 Mbps | 114 ms |
| 武蔵小杉駅ホーム (帰宅ラッシュ) |
1.27 Mbps | 3,503 ms |
電車内でも3Mbps前後を維持しています。移動しているから遅くなる、ということはありません。
ただし電波そのものが悪い場所では、3Mbpsモードでも破綻します。 帰宅ラッシュの駅ホームでは1.27Mbps、応答は3,503msまで悪化しました。
帯域を絞っても、電波が届かない場所ではどうにもならないということですね。当たり前といえば当たり前ですが、実測で確認できたのは収穫でした。
意外な発見|応答は通常モードより5倍軽い
ここからが、この記事で一番お伝えしたい部分です。
速度だけ見れば、3Mbpsモードは通常モードの38分の1です。圧倒的に遅い。 そう思っていました。
でも応答速度を比べると、話が逆転します。
| 項目 | 通常モード | 3Mbpsモード |
|---|---|---|
| 計測回数 | 43回 | 20回 |
| 下り速度 | 約111.6 Mbps | 2.91 Mbps |
| 待機中の応答 | 92 ms | 82 ms |
| 通信中の応答 | 749 ms | 160.5 ms |
| 悪化の倍率 | 約8倍 | 約2倍 |

速度だけでなく、応答も5倍近く鈍くなっている
速度は38分の1なのに、通信中の応答は約4.7倍も軽い。
なぜこうなるのか
スーパーのレジで考えると分かりやすいです。
通常モードは、大量の買い物客が一気にレジへ押し寄せる状態です。行列が伸びて、あなたのタップは最後尾に並びます。
3Mbpsモードは、そもそも店に入れる人数を制限しているようなもの。買い物のスピード自体は遅くなりますが、行列ができないので、あなたの番はすぐ来ます。
Webページの表示は、この「順番待ち」の積み重ねで決まります。だから速度が38分の1でも、体感はそこまで変わらない場面があるわけです。
この現象は「Bufferbloat」と呼ばれていて、mineoに限らずどの回線でも起きます。詳しくは別記事にまとめました。
関連記事スマホが「速いのに重い」理由|実測でわかった隠れた遅延
3Mbpsで何ができて、何ができないのか
用途別に整理します。
| 用途 | 判定 | 補足 |
|---|---|---|
| Web閲覧・SNS | ◎ | 応答が軽いぶん快適に感じることも |
| 音楽ストリーミング | ◎ | 高音質でも1Mbps程度 |
| フルHD動画 (1080p) |
◯ | 必要な3Mbpsぎりぎり |
| 4K動画 | ✕ | 25Mbps必要。まったく足りません |
| 地図・ナビ | ◎ | データ量が小さい |
| 大きなファイルの ダウンロード |
△ | 1GBに約45分かかります |
| オンラインゲーム | △ | 応答は軽いが、更新データの取得が遅い |
フルHD動画が「ぎりぎり◯」というのが実態です。実測2.91Mbpsに対し、必要なのが3Mbps。混雑した場面では画質が落ちる可能性があります。
一方、Web閲覧やSNSは快適です。もともと大量のデータを必要としませんし、応答が軽いぶん、体感では通常モードと大差ないこともあります。
なおビデオ会議については、この記事では判定を保留します。 帯域だけでなく応答やジッターに左右されるため、実際に会議をつないで検証しないと判断できません。別途検証して追記する予定です。
注意点
3日間で10GBを超えると制限がかかります
「使い放題」ですが、無制限ではありません。mineoスイッチON時の通信量が直近3日間で10GBを超えると、翌日は最大200kbpsに制限されます。
3Mbpsで丸1日使い続けても10GBには届きにくいですが、動画を長時間見続ける使い方だと到達しえます。
スイッチの切り替え忘れに注意
これは私の実体験です。3Mbpsで計測したあとスイッチをOFFに戻し忘れて、その後の通常計測がすべて3Mbpsのまま記録されていました。
「急に遅くなった」と感じたら、まずスイッチの状態を確認してください。アプリを開かないと分からないので、意外と気づきません。
Wi-Fi接続中は関係ありません
当然ですが、Wi-Fiにつないでいるときはスイッチの状態に関係なく、Wi-Fiの速度が出ます。
どんな人に向いているか
15GB以上のコースを契約している人
無料で付いてくるので、使わない手はありません。ギガが減らないモードを常に持っていると考えると、かなり心強いです。
動画は見るが4Kまでは求めない人
フルHDで足りるなら、3Mbpsで概ね事足ります。
昼の速度低下が気になる人
通常モードは昼に4割落ちましたが、3Mbpsモードは無風でした。「常に一定」という安心感を取る選択もあります。
逆に向いていないのは
4K動画をよく見る、大きなファイルを頻繁にやりとりする、といった使い方の人です。3Mbpsという上限が明確に足かせになります。
まとめ
まとめ
- 公称3Mbpsに対して、実測は中央値2.91Mbps。 20回測って静止時は2.80〜3.28Mbpsに収まりました。額面通り出ていると言っていいと思います。
- 昼の混雑時間帯でも落ちませんでした。 通常モードが4割落ちる中で、3Mbpsモードは無風。上限が低いぶん、混雑の影響を受けにくいためです。
- 応答は通常モードより約4.7倍軽いという逆転現象がありました。 速度は38分の1でも、体感が単純に38分の1になるわけではありません。
- 電波が悪い場所では破綻します。 混雑した駅のホームでは1.27Mbps・応答3,503ms。帯域を絞っても、電波が届かなければどうにもなりません。
- 15GB以上のコースなら無料で使えるオプションです。「遅くなる代わりにギガが減らない機能」だと思っていましたが、それだけではなかったというのが、20回測ってみての感想です。
よくある質問
パケット放題3Mbpsは本当に3Mbps出ますか?
今回の実測では中央値2.91Mbpsでした。混雑した駅を除く静止時16回では、2.80〜3.28Mbpsの範囲に収まっています。ほぼ公称通りです。
追加料金はかかりますか?
マイピタ15GB以上のコースなら無料です。3GB・7GBのコースでは月385円かかりますが、1Mbpsのパケット放題なら無料で使えます。
昼は遅くなりませんか?
今回の実測では、昼(12〜13時)の中央値は2.92Mbpsで、他の時間帯とほとんど変わりませんでした。もともと上限が低いため、混雑の影響を受けにくいと考えられます。
マイそくとは違うのですか?
別物です。マイそくは料金プラン、パケット放題はマイピタのオプションです。マイそくは平日12〜13時に最大32kbpsまで制限されますが、パケット放題にはその制限がありません。
動画は見られますか?
フルHD(1080p)ならぎりぎり見られる水準です。必要な速度が3Mbps程度なので、余裕はありません。4K動画は25Mbps必要なので、まったく足りません。
使い放題なら無制限に使えますか?
無制限ではありません。mineoスイッチON時の通信量が直近3日間で10GBを超えると、翌日は最大200kbpsに制限されます。
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