「3Mbpsで動画は見られる。じゃあビデオ会議は?」
これがいちばん判断に迷うところだと思います。動画の視聴と違って、ビデオ会議は自分からも映像と音声を送り続けます。速度が足りているだけでは足りません。
そこで平日の昼休みに45分間、実際にZoomで会議をしてみました。
東京都心から、神奈川にいる相手へ。混雑がいちばん厳しい時間帯を狙っています。

結論|映像は問題なし、音声に気になる点あり
先に結果をまとめます。
| 項目 | 結果 |
|---|---|
| 映像の解像度 | 640×360を維持 |
| フレーム/秒 | 26〜27fps |
| 送信のパケットロス | 45分間 0.0% |
| 使った帯域 | 上下合計 約1.4Mbps |
| 音声 | 会話は成立。数分に一度、数秒こもる場面あり |

使っていた帯域は上下合わせて1.4Mbps程度
映像はまったく問題ありませんでした。 640×360という解像度を45分間ずっと維持し、こちらから送り出した映像のパケットロスは平均も最大も0.0%。1つも欠けていません。
そして意外だったのが使った帯域の少なさです。上下合わせて1.4Mbps程度。3Mbpsの半分も必要としませんでした。
一方で、音声には気になる点がありました。 会話そのものは成立するのですが、数分に一度、数秒だけ相手の声がこもって聞き取りにくくなる場面がありました。

テストした条件
検証の前提はこちらです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 日時 | 平日 12:15〜13:00(45分) |
| こちら側 | 東京都港区・屋内 iPhone 15 Pro(マイピタ Dプラン、mineoスイッチON)でテザリング PCのZoomアプリで参加 |
| 相手側 | 神奈川県内・自宅 ケーブルテレビのインターネット回線+Wi-Fi スマホのZoomアプリで参加 |
| 通信方式 | 4G LTE固定(5Gは未使用) |
| 会議の内容 | 1対1、カメラON、画面共有なし |
| 記録方法 | Zoomの「統計情報」を5分おきにキャプチャ |
PC側はWindows Updateやクラウド同期に帯域を取られないよう、テザリング接続を「従量制課金接続」に設定し、使っていないアプリはすべて終了させています。
会議中のZoomのCPU使用率は6〜9%で推移していたので、PCが重かったせいで数字が悪くなった、という可能性は低いと考えています。
この検証の条件について、正直に書いておきます
結果を読むうえで知っておいてほしい点が3つあります。
①相手側は光回線ではありません
自宅で使っているのはケーブルテレビのインターネット回線です。光回線と比べると、特に上り方向は弱い傾向があります。相手から届く音声や映像は、この回線を通っています。
②相手側はテレビの音声をマイクで拾っています
45分間ずっと人が話し続けるのが難しかったため、相手側のスマホにテレビの音を拾わせる形にしました。実際の会話とは音の入り方が違います。
③前半はカメラに物理カバー、後半はカバーを外して検証
前半(12:15〜12:30)はPCのカメラに物理カバーをかけており、送っている映像が真っ暗な状態で検証しています。真っ暗な映像は動きがないため、Zoomがフレームレートを自動的に落とします。
後半(12:30〜12:50)は物理カバーを外し、実際の動画が共有される状態での通信状況を確認しています。そのため映像の評価には、カバーを開けたままにした後半4回分のデータだけを使っています。
映像は45分間まったく問題なし
解像度もフレームレートも落ちませんでした

会議開始から35分後。解像度640×360、26fpsを維持し、送信側のパケットロスは0.0%
いちばんの収穫がここです。
| 時刻 | 解像度 | フレーム/秒 | パケットロス |
|---|---|---|---|
| 12:35 | 640×360 | 27 fps | 0.0% |
| 12:40 | 640×360 | 26 fps | 0.0% |
| 12:45 | 640×360 | 26 fps | 0.0% |
| 12:50 | 640×360 | 26 fps | 0.0% |
解像度は一度も落ちず、フレームレートも26〜27fpsで安定。 パケットロスは平均も最大も0.0%です。
ちなみにパケットロスの0.0%は、前半のカメラを閉じていた時間も含めて45分間ずっとでした。混雑する昼の時間帯に、3Mbpsに絞った回線から送り出したデータが、ひとつも欠けなかったことになります。
640×360という解像度は、相手の表情がはっきり分かるレベルです。画面いっぱいに拡大すれば粗さは見えますが、通常の会議のようにウィンドウの一部に表示される大きさなら、まず気になりません。

使った帯域は3Mbpsの半分以下でした
これは正直、予想外でした。
| 方向 | 最大値 |
|---|---|
| 送信(こちら→相手) | 964 kb/s |
| 受信(相手→こちら) | 409 kb/s |
| 合計 | 約1.4 Mbps |
ビデオ会議は帯域を食うイメージがありますが、1対1で画面共有をしないなら、1Mbps台で足ります。
ここは料金プランを選ぶうえで大事なポイントですね。
パケット放題には1Mbpsと3Mbpsの2種類があり、3GB・7GBのコースでは1Mbpsが無料で使えます。ただし今回の実測では会議中に1.4Mbps程度を使っていました。1Mbpsでは足りない計算になります。
ビデオ会議に使うつもりなら、3Mbpsのほうを選ぶ必要があります。3GB・7GBのコースだと月385円かかりますが、15GB以上のコースなら無料で付いてきます。
関連記事パケット放題3Mbpsは本当に3Mbps出る?増速後を実測
音声には気になる点がありました
数分に一度、数秒だけこもります
会話そのものは問題なく成立しました。会議時間のほとんどは普通にやり取りできます。
ただし数分に一度、数秒間だけ相手の声がこもって聞き取りにくくなる場面がありました。
話しているのは分かるけれど、内容がはっきり取れない。完全に途切れるわけではないので雑談なら流せますが、大事な打ち合わせなら「もう一度いいですか」と聞き返すことになるでしょう。
統計情報を見ると、この症状と符合する数字がありました。

12:20時点の記録。送信側のロスは0.0%、一方で受信側は7.8%。聞き取りにくくなっていたのは相手の声のほうだった
| 方向 | 平均 | 最大 |
|---|---|---|
| 送信 (こちら→相手) |
0.0% | 0.0% |
| 受信 (相手→こちら) |
1.8〜7.8% | 12.6% |
こちらから送る音声は一切欠けていない一方、受け取る側で数%のロスが出ています。
聞き取りにくくなっていたのは相手の声のほうなので、症状と数字は一致します。
Speedtestで見えた「昼のばらつき」
会議中と会議後に、Speedtestも取りました。同じ場所・同じサーバー(IPA CyberLab 400G)です。
| 時刻 | 下り | 上り | 待機中の応答 | ジッター |
|---|---|---|---|---|
| 12:20 (会議中) |
2.61 | 3.43 | 101 ms | 69 ms |
| 12:31 (会議中) |
2.66 | 2.99 | 94 ms | 73 ms |
| 12:47 (会議中) |
2.31 | 3.03 | 94 ms | 13 ms |
| 12:51 (直後) |
2.93 | 2.87 | 83 ms | 72 ms |
| 12:51 (直後) |
2.94 | 2.91 | 86 ms | 7 ms |
| 13:04 | 2.95 | 2.88 | 58 ms | 21 ms |
まず速度は落ちていません。
会議中に2.3〜2.6Mbpsまで下がって見えますが、これはZoomが同時に200〜400kb/sを使っていたぶんです。足し戻せば2.9Mbps前後で、別記事で20回測ったときの実測レンジと一致します。
注目したいのはジッターです。69ms、73ms、13ms、72ms、7ms……と大きくばらついています。12:51にいたっては、1分と空けずに測って72msと7ms。同じ場所、同じサーバーでこの差です。
ジッターは「通信の到着間隔の乱れ」を表す数字です。パケットロスは全6回とも0.00%なので、データが失われているわけではありません。届いてはいるけれど、届くタイミングがそろっていない。
音声のように途切れなく流れ続けるデータでは、これが聞き取りにくさとして出やすくなります。
そして13:04を見てください。待機中の応答58ms、ジッター21ms。昼のピークを過ぎた途端に数字が改善しています。
原因の断定はできていません
正直に書いておくと、この検証では音声がこもる原因を特定できていません。
受信側で起きたロスには、次の可能性があります。
- 相手側の回線(ケーブルテレビ回線のため、上りは光回線より弱い傾向があります)
- 相手側のWi-Fi環境
- 経由するネットワーク
- mineoの下り
- テレビの音をマイクで拾っていたこと
このいずれかを切り分けられていません。「mineoが原因」と断定できる材料はないという前提で読んでください。
なお同じ相手・同じ回線で、別途スマホのLINEビデオ通話を試したところ、音声に問題はありませんでした(後述)。 相手側の回線が常に不安定というわけではなさそうです。
応答225msについて
会議中の応答(レイテンシ)は、送受信とも220〜240msで推移しました。これだけ見ると良い数字ではありません。
ただし今回、Zoomの接続先データセンターが米国でした。
東京と神奈川で話しているのに、通信は太平洋を往復しています。物理的な距離だけで150ms以上は説明がつくので、この数字をそのまま回線の評価にするのは適切ではありません。日本国内のデータセンターに接続されていれば、大きく下がっていた可能性が高いと考えています。

接続先データセンターが米国である点に注目
どんな会議なら使えるのか
用途別に整理します。
| 用途 | 判定 | 補足 |
|---|---|---|
| LINEなどのビデオ通話 | ◎ | 別途検証。まったく問題なし |
| 1対1の社内ミーティング | ◎ | 今回の検証条件そのもの |
| カメラOFFの音声のみ | ◎ | 帯域の余裕がさらに増えます |
| 聞き役として参加する会議 | ◯ | 聞き逃したら聞き返せる関係なら |
| 画面共有あり | △ | 未検証。送信データが増えます |
| 商談・面接・採用面談 | ✕ | 聞き逃せない場面には向きません |
| 大人数の会議 | △ | 未検証。受信データが増えます |
線を引くとしたら「聞き返せるかどうか」です。
数分に一度、数秒こもる。この程度なら、気心の知れた相手との打ち合わせなら流せます。でも初対面の商談や面接で「もう一度お願いします」を何度も言うのは、現実的につらいでしょう。
LINEのビデオ通話も試しました
仕事の会議ではなく、家族や友人とのLINEビデオ通話に使いたいという人も多いはずです。こちらも別途試しました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 日時 | 休日の午前中 |
| こちら側 | 神奈川県内 スマホ単体(mineoスイッチON、テザリングなし) |
| 相手側 | ケーブルテレビのインターネット回線+Wi-Fi スマホのLINEアプリ |
結果はまったく問題ありませんでした。
映像は双方とも乱れがなく、画質不足も感じません。カクつきも気になりませんでした。音声も普通に聞こえ、両者が同時に話す場面でも比較的自然です。 話し声だけでなく音楽を聞かせてみましたが、はっきり聞き取れました。
LINEのビデオ通話はZoomより条件が軽いと考えられます。画面が小さく、必要な解像度も低いためです。ギガを消費せずに顔を見て話したい、という使い方なら十分にこなせます。
ただし検証の条件は異なります。 Zoomは平日昼のピーク時間帯、LINEは休日の午前です。混雑する時間帯で同じ結果になるとは限りません。
在宅勤務の常用回線にはできるか
常用するのはお勧めしません。
毎日何時間も会議に出る使い方なら、固定回線を使用した方が安心できます。3日間で10GBを超えると翌日速度制限がかかりますし、相手への聞き返しが発生する可能性を考えると不安が残ります。
一方で「固定回線が落ちたときの予備」としては十分に機能します。
在宅勤務中に回線が止まった場合の副回線として、ギガを消費せず3Mbpsで会議に参加できる手段を持っているのは心強いはずです。出張先や帰省先で急に会議に呼ばれた、というときにも役立ちそうです。
3Mbpsで会議に出るときのコツ
今回の検証を通じて分かった、実用上のポイントです。ここではWindows PCで会議に参加する場合で考えていきます。
①テザリングを「従量制課金接続」に設定する
これがいちばん効きます。あまり知られていない設定ですが、3Mbpsで会議に出るなら必須だと思います。
3Mbpsしかない回線でWindows UpdateやOneDriveの同期が始まると、会議の取り分が一気に減ります。 テザリング接続を「従量制課金接続」にしておくと、これらが自動的に止まります。
Windowsなら、設定 →「ネットワークとインターネット」→ 接続中のWi-Fiを選び、「従量制課金接続」をオンにするだけです。スマホのテザリングを使い終わったら、忘れずに戻しておきましょう。
②使っていないアプリは閉じる
常駐しているアプリは、起動しているだけでバックグラウンド通信をします。 数百kbpsでも、3Mbpsの回線では無視できません。
会議に使うアプリ以外は、いったん終了させておくのが確実です。
③カメラOFFという選択肢を持っておく
映像を止めれば、送信側の1Mbps近くがまるごと空きます。 音声が不安定だと感じたら、カメラを切るだけで改善する可能性があります。
④時間をずらせるなら13時以降に
今回の実測では、13時を過ぎた途端に応答もジッターも改善しました。 動かせる会議なら、昼のピークを外すのがいちばん確実です。
関連記事mineoは昼が遅い?1週間の定点実測でわかった本当の理由
この検証で分かっていないこと
Zoomは1回45分、LINEは短時間の検証です。書けることには限りがあります。
- 大人数の会議は試していません。参加者が増えれば受信データが増えます
- 画面共有は試していません。送信データが増える方向です
- 音声劣化の原因は特定できていません。相手側の上り回線が低速だったことも影響している可能性があります
- 相手側がテレビの音をマイクで拾う形だったため、実際の会話とは条件が違います
- LINEは休日の午前に試したものです。平日の昼で同じ結果になるとは限りません
- Zoom以外の会議ツール(Teams、Google Meetなど)は試していません
「1対1のZoom会議なら、映像は問題なく成立した」。 今回言い切れるのはここまでです。
まとめ
まとめ
- 映像はまったく問題ありませんでした。640×360の解像度を45分間維持し、フレームレートも26〜27fps。送信側のパケットロスは平均も最大も0.0%でした。
- 使った帯域は上下合わせて1.4Mbps程度。3Mbpsの半分も必要としません。ただし無料の1Mbpsでは足りないので、会議に使うなら3Mbpsのほうを選ぶ必要があります。
- 音声には気になる点がありました。数分に一度、数秒だけ相手の声がこもります。会話は成立しますが、聞き返しが発生する程度のことは起きます。
- LINEのビデオ通話は問題なし。休日の午前に試したところ、映像・音声とも快適でした。ギガを消費せずに顔を見て話す用途なら十分です。
- 「3Mbpsだから会議は無理」ではなく、「会議の種類によっては使える」。これが実際に試してみての結論です。
よくある質問
3Mbpsでビデオ会議はできますか?
1対1・画面共有なしであれば、映像は問題なく成立しました。今回の実測では解像度640×360、26〜27fpsを45分間維持し、送信側のパケットロスは0.0%でした。ただし音声には数分に一度、数秒こもる場面がありました。
LINEのビデオ通話はできますか?
休日の午前に試したところ、映像・音声とも問題ありませんでした。カクつきもなく、同時に話す場面でも自然です。LINEのビデオ通話はZoomより軽いため、余裕をもって使えると考えられます。
ビデオ会議にはどれくらいの速度が必要ですか?
今回の1対1のZoom会議では、上下合わせて約1.4Mbpsを使っていました。参加人数や画面共有の有無で変わりますが、1対1ならこの程度が目安になります。
無料で使える1Mbpsのほうでも会議はできますか?
今回の実測では1.4Mbps程度を使っていたため、1Mbpsでは足りない計算になります。ビデオ会議に使うつもりなら、3Mbpsのほうを選ぶことをおすすめします。
昼休みの会議でも大丈夫ですか?
映像については、昼のピーク時間帯(12:15〜13:00)に測って問題ありませんでした。ただし応答のばらつき(ジッター)は昼のほうが大きく、13時を過ぎると改善します。時間をずらせるなら、そのほうが快適です。
音声がこもるのはmineoが原因ですか?
断定できていません。今回は相手側の上り回線が低速だったこともあり、相手側の環境、経由するネットワーク、mineoの下りのいずれの可能性もあります。なお、こちらから送る音声のパケットロスは45分間0.0%でした。
在宅勤務のメイン回線として使えますか?
常用はお勧めしません。毎日長時間の会議に出るなら固定回線を引いた方が安心できます。ただし固定回線が止まったときの予備としては十分に機能します。
カメラをOFFにすれば改善しますか?
送信側で1Mbps近く使っていた映像が止まるため、帯域には余裕が生まれます。音声が不安定だと感じたときに試す価値はあります。
料金や条件は変更されることがあります。最新の内容はmineo公式サイトでご確認ください。
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